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電子書籍の企画に初めてかかわった夏 [ライター的]

電子書籍の企画に初めてこの夏、関わらせてもらった。

きっと紙の本とはまったく違った世界で、これまでの経験はあまり役に立たないのだろうと予想していたし、むしろそれは新しいことを学ぶ良いチャンスと思ってお引き受けしたのだが、やってみると思っていたより違っていなかった……というか、ほとんど同じと言ってもいいかもしれない。反対の意味で意外な発見があった。

もちろん紙の本の「ページ」に相当する概念がないとか、章立てについても紙の本ほど綿密さを求められないような気がしたけれど、企画段階から本の骨組み、著者との打ち合わせの仕方などは、これまでの経験の範疇でやれた。

まあ、私が古いタイプのライターだと知っていながら声をかけてくれた編集者が、いろいろと大目に見てくれたのだろう。それでもなんとかなるんだと知ったことは、私にとって今後の可能性が感じられる体験だった。

本が各種デバイスで読まれるものになっても本作りの大枠は変わらず、むしろ読まれ方のほうがドラスティックに変わったんだと思う。

たしかに私も出張時に分厚い本を持っていくことはなくなり、キンドルですませることが多くなったし、ましてや以前はどこにいくのも必携だったPCすら鞄に入れて持ち歩かなくなってから久しい。

たしかにキンドルも各種タブレットも便利と言えば便利なんだけれど、ページをめくったり、時には折り目をつけてみたり、線をひいたりしていた、あの楽しみはなくなってしまった。

ありきたりな意見だけれど、便利さ優先で、本の楽しさが減らなければよいけどなあと、提供側になって改めて思っているこの頃です。


七々三


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