街にくり出しましょうか

非常事態宣言下の自粛期間中、一番、きつかったのは、やはり暇なのに一人で部屋にいることでした。

コロナ前までの行動パターンを振り返ると、仕事がひと段落すれば人と会って飲んだり遊んでいたわけですよ。そのことでちょっと息抜きになったり、視野が広がったり、新しい企画が生まれたり、思ってもみなかった趣味ができたりする。

そのうちに気づけば仕事が忙しくなり、暇な時に覚えたことを次の仕事に生かして、新しい感覚で仕事ができるというサイクルで生きてきました。

ところが外出することもなくなり、人にも会えなくなると、自分と向き合っている時間が長くなり、それによってつい将来のことが不安になったりするわけですね。

しかも今回は別のメンタルクライシスがありました。やはり年齢を重ねてからの引きこもりというのはやっかいなもので、頼まれもしないのに振り返ってしまったりするわけですよ、人生を。将来のことだけじゃなくて、過去のことを気に病んでしまうという、ダブルの攻撃に苛まれてしまう。

自分を相手にネガティブな会話をしてしまいがちで、何か精神が不健康な状態に追い込まれていく感じがします。

これまでは外出することや人と会うことによって、ネガティブな気分を紛らわしていたんですね。やはり外に出られないことや、人と会ってお酒を飲んだり遊んだりできないのは、とんでもなく退屈です。

一方で社会も、世の中が動き始めたこのタイミングで、寝かせていた機能――たとえば旅行関連業や飲食店などの各種オペレーション――を一度、フルに動かすことが大事だと思います。そうでないとアメリカみたいに、社会の機能がさび付いて、稼働できない事態になってしまうから。

第６波の恐れは気にしながらも、街に繰り出しましょうか。私、ひとまず今日は3件、明日は2件、対面の予定が入っています。

とにもかくにも、気兼ねなく人と会えるようになったことが嬉しいこの頃です。


七々三