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NHK集「新型コロナ全論文読解」で明らかになったこと [Covid-19]

まだ1000人越えの日が続いているものの、緊急事態宣言以後、少しずつ1日の新規感染者数が減ってきています。これといったエビデンスはありませんが、私はこのまま減り続けていくのではないかと勝手な予想をしています。ただ、日々報告される数字が2週間前人々の行動の結果なのだとしたら、来週からがくんと減ってもおかしくないわけですよね。

人は緊急事態宣言にも危機感を持たなくなったと言われるものの、私が住む町の周囲は8時以降、車も人もあまり見かけず、がらんとしています。

お酒を扱うお店の大半が8時営業中止となれば、やはり飲みに行く人が激減しているだろうし、そもそも自宅勤務の人が圧倒的に多いので、それなりの効果を見せだろうと予測しているのです。

さて、今頃で恐縮ですが先日、昨年の11月8日(日)の NHKスペシャル「新型コロナ全論文読解」がNHK BS特集として放映されていて、その内容が面白かったので、触れておきたいと思います。

面白いと思ったのは、COVID-19の根本的な疑問に明瞭な回答が提示されていたからです。11月初旬からもう人々は知っていたのかと思うと、ちょっと恥ずかしくもあるのですが。

その根本的な疑問とは次の3つのことです。
(1)なぜ欧米に比べて日本では感染者の重症化率が低いのか?
(2)マスクにはどれほどの効果があるのか?
(3)なぜ人によって後遺症が異なるのか?

(1)は、なんとネアンデルタール人の遺伝子が深くかかわっているんですってね。どうりで最近、私の周囲でネアンデルタール人の話題が多いなと思っていたら、そういうことだったのか。

ネアンデルタール人は絶滅した種だと思いきや、その遺伝子を受け継いでいる人類は一定数、存在しているとは思いもしませんでした。

COVID-19のウイルスはネアンデルタール人の遺伝子と融合しやすいとか。特にヨーロッパや南アジアに多く分布しているそうで、そう言われてみればスペイン、イタリア、フランスあたりの感染急増ぶりは日本では考えられなかったし、アジアでもインドネシアは今、大変な状況です。

ところが日本にはほぼいないというから思わず納得。太古の遺伝子の有無が、COVID-19で如実に表れているわけですね。

もう一つの要因は、交差免疫の有無。コロナウイルスそのものは、半世紀も前から発見されている風邪の原因ウイルスであり、日本でも流行を繰り返しています。コロナも季節性のものは風邪の一種としての位置づけに過ぎません。

季節性コロナウイルスに感染した人は、コロナウイルスへの交差免疫が体内にでき上っており、新型コロナに対しても対抗できる身体になっているとのこと。ちなみに季節性コロナウイルスの感染は、中国、日本など東アジアに限られているとのこと。

なるほど、中国で感染が早期に食い止められたのは、全体主義の政治体制のなせるわざかと思っていましたが、どうやら遺伝子レベルの話でもあったのです。中国政府は全て自分たちの手柄のようにアピールしていますけどね。

(2)は、結論からいうと、マスクをしていると重症化リスクが大幅に軽減される、ということです。その科学的検証が面白い。マスクの効果によって、体内に取り込まれるウイルスの絶対数が少ないため、無症状ですむ場合が多いそうです。また症状が出ても軽症ですむことが実験でわかっているんですって。

しかも無症状の人もコロナへの免疫が体内にでき、新型コロナウイルスへの対抗力を身に着けることもわかっているとか。これって(1)の裏付け要因でもありますね。ギリギリまでマスクの着用に抵抗していた人が多かった欧米人に比べて、日本人はマスクの装着に慣れていることから重傷者の数が圧倒的に少ないのかもしれません。

(3)についても番組はとても興味深い回答を用意していました。COVID-19で恐ろしいのは、実はその後遺症だと言われていますね。ところがその後遺症が人によってバラバラなところは、以前から気になっていました。いったいなぜなのでしょう。

COVID-19のウイルスは、人間の体内にあるACE2という受容体と結びつくことが明らかになっていますが、ACE2は肺をはじめ人体のさまざまな場所にあり、その場所の機能を破壊することがわかっています。

だからどこの機能を大きく損なうかは、感染者によって違うのです。やっかいなのは脳にもそのACE2という受容体があり、身体からCOVID-19のウイルスがいなくなっても脳の炎症は残り、頭痛がしたりもやもやしたり、記憶力が低下したりといった状態が続くわけです。ワクチンがあるからと安心してはいけないのです。

ということで、上記が(1)~(3)の疑問への答えです。

番組では上記に加え、湿気や、ある領域の周波数の紫外線がコロナ対策に有効だという新しい研究結果も紹介されていました。

湿気に関していうと、高いと飛沫が空中に飛び散る距離や範囲が縮まったり狭まったりするとか。さらに湿度40~60%の状態だと、人の喉の繊毛細胞が活発化し、異物である新型コロナウイルスを体外に押し出そうとする機能がよく働く、という研究成果も披露されていました。身体の自然治癒力も馬鹿にならないと言いますから、ワクチンに頼る以外にも努力のしかたはありそうです。

もう一つの紫外線については、222nmという領域の紫外線が新型コロナウイルスを不活化することがわかっているそうです。しかも222nm紫外線は人体に悪影響を及ぼさないため、人が集まる公共施設や感染リスクの高い医療施設で、人に向けて照射する装置をウシオ電気などが開発。続々とさまざまな場所への導入が進んでいるとのこと。

この番組が放映された11月の初旬ですが、それ以後も研究は進んでいるで、さがせばさらに重要なことも分かってきているはずですが、今回は番組の内容に絞ってご紹介しました。

日に日に明らかになってきたCOVID-19の特性と対処法ですが、もう一つわかっていることがあります。それは、COVID-19対策をどれだけ進めたとしても、収束はしても終息することはないということもまた、わかっています。世界からCOVID-19を完全になくすことはできません。

毎年のインフルエンザとともに、今後人類がつきあっていかなくてはならない相手です。Withコロナ時代にどのような生活様式を確立するのか。人と人との距離が重要な意味を持つ時代に、どのような常識やマナーが必要になるのか、私たちはこれから模索していくことになります。


七々三

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