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「働く型」を見直す [これからの働き方]

COVID-19で働き方が大きく変わっています。

私自身はほぼ30年もフリーランスで働いているので、在宅での仕事が当たり前でした。しかし会社員は仕事の半分は通勤と揶揄されるくらい、重要な要素とされてましたよね。それだけに通勤のない生活は別世界に見えていることでしょう。一度その味を知った以上、もう毎朝の通勤に耐えられない体になっていますよね。

これからは「働き方」より「働く型」が問われることになると、私は思っています。

型とは、スタイルと言い換えてもいいだろうし、ポリシーと言ってもいいでしょう。これまで職場にいれば感じ取れた空気を、在宅勤務のおかげで感じられなくなってしまうと、仕事の緩急を自分でつけなければならないわけです。

ずっと張りつめていることはできないし、かといって質を落としたりペースを緩めようと思ったら、いくらでも緩められます。だから会社から命じられたり、教えられたりすること以外の、個人としての仕事に対する考え方や哲学、熱度が問われると思います。そこは個人差がかなり出ているのではないでしょうか。

そうなってみて考えたいのが、仕事へのこだわりについて。今の時代、個人のこだわりは他人から見ると「めんどくさい」と言われがちです。なぜなら今は多くの人がコスパを考える社会になったからです。

一つの仕事に対して、より少ない労力で一定基準をクリアするアウトプットやパフォーマンスがいい、といわれる時代。仕事は楽にやるほうが優秀、という考え方がひろがっています。

しかし仕事はコスパだけじゃないですよね。元来日本人はお金のためだけに働くとは思っていませんでした。コスパを気にするのは、欧米とくにアメリカの影響ではないかという気がします。

欧米では、仕事は基本的に苦行ですからね。それよりも家庭を大事にする考え方が徹底しています。

一方、日本人は仕事にこだわりを持つことをよしとしてきました。ところがコスパを気にすると、それはめんどくさいという評価になるわけです。

私個人としては、こだわりがない仕事などやる意味がない、という考え方に近い。適当にやる仕事はつまらないです。きっと仕事に手応えを求めているからでしょう。極端に言えば、仕事こそが自分の人生だと思っているところがありますね。だから仕事は本気で取り組んだほうが、格段に楽しいし、真剣に打ち込めるものほどやりがいを感じます。

言い換えれば、めんどくささの中に人生の真理があると思っているフシがある。わりと高い熱度で一つの案件に関わっています。誰に会って取材するにしても、最大限の資料にあたり、有名無名にかかわらずその人に起こった人生の問題を、瞬間的にでも、自分の問題として考えながらインタビューをしています。だから一人のインタビューをするときは、いつもその人のことで頭が一杯。

もちろん実際にインタビューする際や原稿を書くときは、その熱を冷水で冷やして冷徹な目で書きますよ。といっても冷気の中で頭から湯気を出している状況に近いかもしれません。真剣に関わらないとつまんない。

少なくとも、指示されたことだけやるような仕事にしないようにと意識しています。ムダな抵抗であっても、自分ならではの考えや味、色を何かの形でつけたいと思っているのです。

と聞くと、めんどうな人、と思う人も多いでしょう。でも考えてみてください。ふだんはコスパ重視の人であっても、ある瞬間は真剣になってしまう場面もあるはずです。それがなくて、仕事はあくまで自分の趣味趣向と切り離しているなら、今はわからなくていいです。でもそういう人にも、きっとやりがいを求める時がくるはず。やりがいというのは、自分が真剣に取り組まないと生まれないものです。

そんな私が大事にしてきたポリシーの一つが、「仲良くなれそうもない人とは仕事をしない」ということ。これって会社員の人には難しいお題かもしれませんが、実はフリーランスにとっても難しいのです。でもこの掟を破った時は必ず、私は不調に陥ります。合わない人との仕事は気力を奪われ、意欲も失い、著しく原稿の質が低下し、完成までに時間がかかります。仕事への損失が計り知れないのです。だからこのポリシーを貫こうと、わりと強めに意識してきました。

限界点を設定し、経済的な恩恵と自分の存在を天秤に図りつつ、一線を越えたら潔くその場を離れるし、仕事を降ります。「やっぱりフリーランスは無責任だな」なんて言われても、気にしません。

もちろん四六時中、こだわりまくっているわけではなくて、実際にはここぞという重要な局面だけです。それ以外はけっこうを手を抜いている、というか抜きまくっているかもしれません。こだわりポイントで頑張れるように、ふだんは抜いているくらいがちょうどいいと思っています。

あと、もう一つ言えることは、かっこつけることも大事ということ。見た目じゃなく、仕事ぶりのことですよ。自分には何の得にならなくても、誰かのために頑張るってことも時には必要ですよね。格好を気にするときって、効率や合理性から離れてしまいがちですが、それでもやるときはやる。そんなことも大事だと思っています。

自分の仕事ぶりというのは、案外、人から見られているものです。きっと誰かが見てくれている、というフレーズは元AKB48の宮澤佐江さんの名言ですけど、私も共感します。

最後に言いたいのは、仕事は本気でやるから楽しくなるし、真剣にやるからこそ人としても成長できるということです。だから楽であればいいといった方向へは進みません。同じ字を使った「楽しい」という方向には、常に向かっています。


七々三



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