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「ソーシャルグランプリ 2018」を取材しました [社会起業家]

ご報告が遅くなってしまったのですが、さる2月25日(日)、日暮里サニーホール(東京・荒川区)で行われた「ソーシャルビジネスグランプリ 2018年」を取材してきました。

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このコンテストの枠組みとエントリーしていたソーシャルビジネスプランについては、下記の通り。(詳しいプランの内容については公式ホームページ https://socialvalue.jp/final/2018/index.html をご参照ください)


①細越美和さん
「『一人一人が主人公』サンシャインプロジェクトを日本に」

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②小川順也さん
「場の力でパーキンソン病の方の運動継続を促し いつまでも暮らしを」

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③澁澤博子さん
「全ての人を幸せにするJEWERY」

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④三輪功祐さん
「政治の見える化によって社会を前に進める」

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⑤後藤誠さん
「ゲームを活用し、より良い社会と未来へ」

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以上、5人がエントリーする中、グランプリに輝いたのは、②の小川順也さんが提案したパーキンソン病患者が集い、交流し、みんなで体操もするというカフェのプランでした。

近年、パーキンソン病患の身体機能を維持するうえで、運動が効果的だという研究が発表されているそうですが、日本ではまだそのほとんどが薬物療法に頼っているのが現状。そこで小川さんが、パーキンソン病患者が集うカフェを提案。

患者がリーダーとなって、体操をするコミュニティをつくる事業を提案しました。日本だけで10万人いると言われている中で、新しい治療へのアプローチとともに、孤独に陥りがちな患者たちが互いに交流できる場を作るというのは、非常にいいアイデアでした。

今回は小川さんのプランがグランプリに選ばれましたが、他の4人の方々の提案もそれぞれがなるほど、と感心するものばかり。

以前より数段、プランの中身と発表内容が練られていて、質が高くなった印象を受けました。正直、どれが選ばれても不思議はなかったと思っています。それほどにいずれも社会ニーズとプランがマッチしていると感じました。

このレベルアップはイベントの熟練なのか、それともソーシャルビジネスのすそ野が広がり、自然にボトムアップがなされているのか……おそらくは両方だと思いますが、日本の若者たちにとって、ソーシャルへのアプローチが身近なものになってきたことは確かです。

社会変革が必要だと言っても、何でもかんでも社会を変えればいいわけではありません。これまで日本が培ってきたものの中には、素晴らしいノウハウや哲学、倫理観や理念があります。それらの価値の大きさを測ることなく、なんでもかんでも変えればいい、変革すればいいというのは浅はかなこと。

日本が培ってきた文化や慣習、事業ノウハウの中で、何を残し、何を変えるべきか。その判断には、深い洞察が必要となります。

今回、最終エントリーに残った方々の事業プランは、その点がしっかりと考慮されていたように思います。つまり彼らが提案した変革案は、日本の将来にとって本当に必要なことだと感じさせてくれる内容だった、ということです。

主催する社会起業大学が発足当時に思い描いていた、個人の原体験をもとに社会貢献活動をする人を増やしていくというビジョンに、着実に到達してきているのではないでしょうか。とても充実した内容で、感動しました。

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実は、この日の基調講演となった田坂広志名誉学長の講演も歴史に残る名演説でした。そしてその内容は、ぼくが待ち望んでいた内容でもあったのですが、それについてはまた後日、ご紹介しますね。



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