シニア世代をうまく使う若者は成果を出す!映画『マイ・インターン』に学ぶシニアの役割 [生き方]
この頃よく、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイが共演した『マイ・インターン』という映画を見返しています。
2015年に公開された映画なので、ご覧になった方も多いと思います。
私も、前に見たことはあったのですが、この年齢になって見返すと刺さり方のレネルがちがうわけです。
デ・ニーロが演じるのは、70歳でファッションECサイトのスタートアップ企業にシニアインターンとして入社した「ベン」という役柄。そのスタートアップを創業したアラサーと思しき女性経営者がアン・ハサウェイ演じる、ジュールズ。
彼女はまさにデジタル時代の女性経営者で、そもそもシニアから学ぶことは何もない、できれば関わりたくないと忌み嫌っているワンマン経営者。ところが会社のブランドイメージ向上のためにと、嫌々ながらベンを直属の部下にした、という設定です。
Facebookさえ触ったことがないシニア世代が、ファッションECサイトで活躍できるはずもなく、すぐにお払い箱……かと思いきや、ベンは意外な存在感を発揮し、次第に周囲の若手社員から頼られる存在に。気づけば、感情を暴走させがちな女性創業者にとって、よき経営のパートナーとなっていくというストーリーなんです。
このベンが今の私にとって、10年後のロールモデルになっています。デ・ニーロのようなかっこいいシニアにはそうそうなれないでしょうけど、この映画を観ていると、シニア世代の特性がよくわかります。
それは何かというと、一つは、若い人のサポートに回ることができるということ。若いうちは誰しも自分が、自分が、となりがちですけど、現役を退いた後は、自分が手柄を立てるより、若者をサポートするほうに喜びを感じるようになります。
もちろん自身が若い頃に十分認められてきた人でなければ、その余裕は生まれないかもしれないので、そこは人にもよると思いますが、全般的に自分が主役という感覚は薄らいでいくもの。あれはなぜなのか、不思議なんですけどね。
もう一つは、時代がアナログからデジタルに変わっても、人が人生で抱える問題は似たようなものだということ。仕事の内容は変わっても、社内での評価に一喜一憂したり、恋愛や結婚生活で悩んだりするのは、どの時代も同じ。
一方、若い頃に多くの人が直面する悩みや迷いも、シニアはすでに経験済みですからね。「本当に大切なものは何か」を苦い経験から学んできています。だから「大丈夫」という言葉にも説得力があるし、目先の利益より、人として大切なことを守ることの大事さも知っている。だからこそ場当たり的ではなく、本質的なアドバイスができます。
ジュールズがベンに「あなたといると落ち着くの」と告げるシーンもありましたが、そうだろうなと思います。
私の経験でも、若い人の中で成果をあげて、社内の評価も高い人ほど、20も30も歳の離れた年上をうまく頼っている印象です。もっと経験を積まないとできそうもないことでも、年上スタッフを引き入れることで、どんどんできてしまうので、結果的に昇進も早くなったりします。
逆に、有能な人でも、自分の感覚だけで突っ走る人は、どこかで失速したり、失敗していなくなってしまう、といったこともよくみかけました。
映画『マイ・インターン』でも、ベンがいなかったらこの会社の行方は変わっただろうなと思います。
手前みそですが、私のような世代を味方につけると強いですよ。時には耳の痛いこともいうでしょうけど、シニアは自分を頼る人への協力は惜しみませんからね。しかも、それなりに人脈もありますから、若い人にとって自分が想定する以上のレベル感で仕事ができたりします。
では私自身がこの映画に学べるものは何か。やはり若い人に実力を発揮できる環境を作ってあげることの大切さですね。若い年代の人たちは、どれだけ自信を持っていたとしても、迷いや不安をどこかに抱えているものです。
一言でも背中を押してあげたり、仕事上の障害を取り除いてあげれば、チャレンジできることも増えると思います。
たとえば予想される反対意見をうまく回避するとか、場合によっては抵抗勢力を押さえつけるとか(笑)、問題が紛糾した時の落としどころを見つけるとか、そういうスキルとはいえない手練手管のところで協力することもできるわけです。
デジタル技術を駆使した仕事では力になれなくても、総合力で助けてあげられることはたくさんあるはずです。そんな影ながらの協力を心掛けていきたいと思いました。
この映画は本当に気の利いたシーンが多くて、デ・ニーロの含蓄のあるセリフにはっとすることも多いのですが、ことに「ハンカチは貸すために持っておけ」、という教えは象徴的で記憶に残りました。
私と同じ世代か上の方で、この映画をまだ観ていない人がいたら、ぜひ一度、観てもらいたい作品です。
七々三
2015年に公開された映画なので、ご覧になった方も多いと思います。
私も、前に見たことはあったのですが、この年齢になって見返すと刺さり方のレネルがちがうわけです。
デ・ニーロが演じるのは、70歳でファッションECサイトのスタートアップ企業にシニアインターンとして入社した「ベン」という役柄。そのスタートアップを創業したアラサーと思しき女性経営者がアン・ハサウェイ演じる、ジュールズ。
彼女はまさにデジタル時代の女性経営者で、そもそもシニアから学ぶことは何もない、できれば関わりたくないと忌み嫌っているワンマン経営者。ところが会社のブランドイメージ向上のためにと、嫌々ながらベンを直属の部下にした、という設定です。
Facebookさえ触ったことがないシニア世代が、ファッションECサイトで活躍できるはずもなく、すぐにお払い箱……かと思いきや、ベンは意外な存在感を発揮し、次第に周囲の若手社員から頼られる存在に。気づけば、感情を暴走させがちな女性創業者にとって、よき経営のパートナーとなっていくというストーリーなんです。
このベンが今の私にとって、10年後のロールモデルになっています。デ・ニーロのようなかっこいいシニアにはそうそうなれないでしょうけど、この映画を観ていると、シニア世代の特性がよくわかります。
それは何かというと、一つは、若い人のサポートに回ることができるということ。若いうちは誰しも自分が、自分が、となりがちですけど、現役を退いた後は、自分が手柄を立てるより、若者をサポートするほうに喜びを感じるようになります。
もちろん自身が若い頃に十分認められてきた人でなければ、その余裕は生まれないかもしれないので、そこは人にもよると思いますが、全般的に自分が主役という感覚は薄らいでいくもの。あれはなぜなのか、不思議なんですけどね。
もう一つは、時代がアナログからデジタルに変わっても、人が人生で抱える問題は似たようなものだということ。仕事の内容は変わっても、社内での評価に一喜一憂したり、恋愛や結婚生活で悩んだりするのは、どの時代も同じ。
一方、若い頃に多くの人が直面する悩みや迷いも、シニアはすでに経験済みですからね。「本当に大切なものは何か」を苦い経験から学んできています。だから「大丈夫」という言葉にも説得力があるし、目先の利益より、人として大切なことを守ることの大事さも知っている。だからこそ場当たり的ではなく、本質的なアドバイスができます。
ジュールズがベンに「あなたといると落ち着くの」と告げるシーンもありましたが、そうだろうなと思います。
私の経験でも、若い人の中で成果をあげて、社内の評価も高い人ほど、20も30も歳の離れた年上をうまく頼っている印象です。もっと経験を積まないとできそうもないことでも、年上スタッフを引き入れることで、どんどんできてしまうので、結果的に昇進も早くなったりします。
逆に、有能な人でも、自分の感覚だけで突っ走る人は、どこかで失速したり、失敗していなくなってしまう、といったこともよくみかけました。
映画『マイ・インターン』でも、ベンがいなかったらこの会社の行方は変わっただろうなと思います。
手前みそですが、私のような世代を味方につけると強いですよ。時には耳の痛いこともいうでしょうけど、シニアは自分を頼る人への協力は惜しみませんからね。しかも、それなりに人脈もありますから、若い人にとって自分が想定する以上のレベル感で仕事ができたりします。
では私自身がこの映画に学べるものは何か。やはり若い人に実力を発揮できる環境を作ってあげることの大切さですね。若い年代の人たちは、どれだけ自信を持っていたとしても、迷いや不安をどこかに抱えているものです。
一言でも背中を押してあげたり、仕事上の障害を取り除いてあげれば、チャレンジできることも増えると思います。
たとえば予想される反対意見をうまく回避するとか、場合によっては抵抗勢力を押さえつけるとか(笑)、問題が紛糾した時の落としどころを見つけるとか、そういうスキルとはいえない手練手管のところで協力することもできるわけです。
デジタル技術を駆使した仕事では力になれなくても、総合力で助けてあげられることはたくさんあるはずです。そんな影ながらの協力を心掛けていきたいと思いました。
この映画は本当に気の利いたシーンが多くて、デ・ニーロの含蓄のあるセリフにはっとすることも多いのですが、ことに「ハンカチは貸すために持っておけ」、という教えは象徴的で記憶に残りました。
私と同じ世代か上の方で、この映画をまだ観ていない人がいたら、ぜひ一度、観てもらいたい作品です。
七々三
2022-06-25 08:32
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