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日テレ・東京ヴェルディメニーナがセンセーションを起こしている [社会事象]

女子サッカーで面白いことが起こっている。中高生のみで編成された日テレ・東京ヴェルディメニーナというチームが、プロリーグトップを走るチームとか日本代表選手を含む強豪チームをバタバタと破って、準決勝に進んでいるのだ。

僕は最近、ほとんどサッカーは見なくなった。15年ほど前までは年に何回も味の素スタジアムでJリーグを観戦に行ったものだけど、好きだった選手が続々と引退してからはめっきりだ。テレビでも見なくなった。

ましてや女子サッカーは、「なでしこ」のワールドカップ優勝がかかった大会を見たくらいで、女子
リーグについてはテレビでも見たことがない。

ところがこの29日、誤って録画されていたのをたまたま先ほど見て、驚いた。その試合は、皇后杯準々決勝で、日テレ・東京ヴェルディメニーナ対大宮アルディージャVENTUSというカード。

いつもなら即座に消すのだが、アナウンサーの「中高生だけのチームが、日本代表選手を擁するプロチームに挑みます」という、ただならぬ紹介で好奇心に火がついて、見てしまった。

まだあどけない顔の中学生選手が活躍するメニーナが、世界一を経験した鮫島選手や日本代表選手を擁する大宮を圧倒しているではないか。

最初は大宮の選手が手を抜いているのかと思った。それほど動きのスピードが違う。それだけではない。パスの精度も、ボールさばきも、やっぱり中高生のほうが勝っているではないか。もう目は画面に釘付けだ。

結果、4対0の大差で、プロの大宮が中高生に負けた。大宮の選手たちの胸中はいかばかりか……。

しかしこの状況は、今の時代を象徴しているように思える。そういえば将棋界では並みいるプロ棋士がまだ中高生だった藤井聡太にボコボコ負けていた頃を思い出した。今も名だたるトップ棋士が藤井四冠に歯が立たない。

スポーツや将棋の世界は、勝敗がつくからわかりやすいが、これはあらゆる世界で起こっていることだ。キャリアの長さや年齢は、武器ではないってことは多々ある。ところが芸能や文化的な仕事の世界はとにかく先輩というだけで敬われる。それは日本における社会的ならわしで、会社などでも同じだ。日本は儒教的な価値観が根付いている。

しかし、勝負の世界だけに限らず、さまざまな世界で、本当は若い人たちのほうが優秀というケースは多い。先輩、という言葉に甘えてしまっては、その差が見えないのだ。

私はあと数年で還暦を迎えるのだけれど、この年になると、どこに行ってもなんとなく立ててもらえることが多い。しかしあれはおじいちゃん扱いというだけ。本当は、経験や修行の長さは武器にならない。そのことを忘れてしまう老人も多いに違いない。

私もそのことを忘れないようにしないと。そんな戒めをメニーナの、まだ幼さが残る元気な選手たちから教えられた気がしている。

でもなあ。若い者にはもう勝てません、と諦めるのも違う気がする。かといって張り合うのも感じ悪い、というかカッコ悪い。

50代後半の立ち位置は難しいなあとつくづく感じるこの頃です。


七々三


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