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「武田薬品×東京慈恵会病院」対談企画(「プレジデント」) [ライター的]

下の写真は、現在、発売中の『プレジデント』(2021.3.19)に掲載されている広告ページ。武田薬品工業で日本の事業を統括する役員の方と東京慈恵医科大学附属病院・病院長との対談。

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この対談が行われたのは昨年の暮れ。
当日の進行と記事の執筆を担当しました。

世界的なパンデミックに際して、最前線で感染患者の医療を施している病院のトップと、全人類が待ち望んでいたワクチンや治療薬の完成を急ぐ製薬大手の経営陣とが語り合う企画。否が応でも緊張感が漂う現場でした。

武田薬品というとちょうど一年前、グローバルCEOのクリストフ・ウェバー氏にインタビューしたことがあり、企業に関する基礎知識はありました。

一方の、慈恵会医科大学付属病院(以下、慈恵医大)はというと、その系列の慈恵会第三病院のほうに20年以上前からお世話になっていて、今も毎月、乾癬治療で専門医の先生にかかっています。家内の父親の最後を看取ったのもこの病院でした。そんなことから勝手に親しみを感じていたこともあり、喜んでお引き受けした次第です。

長くライターをしている者にとって、広告ページと編集ページはまったく別物。広告ページでは広告畑で経験を積んだ人が担当するべき、というのが私の基本的な考え。ですが、今回のようなドキュメンタリー性のある内容なら、しゃくし定規な枠組みを持ち出す必要もないだろうと思ったのでした。

この企画を通じて、COVID-19に際しての医療機関や製薬会社の切迫した状況を知りました。そしてどちらもギリギリの判断に際しては、人類への貢献マインドをしっかりと堅持されていたこともよくわかりました。

慈恵医大病院では昨年、COVID-19の院内感染が発生。その時、経営面の痛手を顧みず、完全ロックダウンを断行したのが、ここに登場する井田病院長でした。その勇気ある決断で、早期に封じ込めに成功し、ロックダウンを解除できたのでした。

患者のいないがらんとしたフロアを見て、病院の医療スタッフのみなさんは、患者さんのケアができない寂しさと悲しみに打ちひしがられていたそうです。その経験もまた今後の医療の支えになると話しておられました。

武田薬品工業はというと、いち早く世界の感染状況をキャッチし、即座にワクチン開発や治療薬に必要な薬剤の開発に乗り出す一方、国内でも最も早くMRの病院への訪問を完全にストップしてリモートでの情報提供に切り替えました。

さらに数年前から、難病の治療薬の開発に力を入れており、コロナ禍で病院から離れがちな難病患者の病状の悪化や、初期治療の遅れを懸念し、その対処に知恵を絞っていたと言います。

大手製薬会社にとって世界にごく少数しかいない難病患者の治療薬を開発しても、収益的なうま味はありません。その反面、その開発には患者さんの協力が欠かせず、一人ひとりとしっかり信頼関係を築いて進める必要があります。ただし現状の法制度では、製薬会社が患者さんと距離を縮めることは難しく、政府や行政、医療機関にも理解も得ながら、連携しつつ進めていかなければならないので、とてもつもなく時間と労力と根気が求められます。

そうした事情がから製薬会社にとっては、採算度外視の社会貢献事業でしかないのです。それでも、そこに患者がいる限り、薬品会社の責務として、全力で開発に取り組むことに決めたのだそうです。

メガ・ファーマというと、冷徹な利益至上主義のイメージをもってしまいますが、武田薬品には今も、「誠実」を旨とする江戸時代から受け継がれたタケダイズムが息づいています。

お二人のお話が深まるにしたがって、「すべては患者のために」というスピリットが浮き彫りになる、とてもいい対談でした。

…とまあこんなふうに、広告ページを紹介するというのも、ちょっとおかしなことかもしれませんが、私にとって胸を打った仕事の一つであることは違いないので、今回、ご紹介してみました。

最近、広告ページにもお声をかけていただくことが増えました。年齢からくる変化なのか、私の資質がそちらに向いてきたのか、自分でもよくわかりません。ともあれ、社会的に意義のある企画なら、積極的に参加していきたいと思っています。


七々三



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