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「未来経営シンポジウム2018、社会ニーズの市場化に向けて」 [取材]

角田陽一郎さんの著書『13の未来地図 フレームなき時代の羅針盤』の企画に参加している間は、未来の社会についてあれこれ思いをめぐらせることになった。

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ちょうどそんな折のこと。2月21日に東京大学大学院 情報学環 福武ホール・ラーニングシアターで開催された「未来経営シンポジウム2018」というシンポジウムの情報をもらった。企業の未来はどんなものかとちょうど考えていたこともあって、原稿の〆切に追い立てられる最中、スケジュールをこじ開けて参加してきた(詳細はこちら→https://www.future-management.biz/)。

この情報をくれたのは、アミタグループである。私にとって「アミタ」という会社には格別な思いがある。8年ほど前、まだアミタの社長だった熊野英介さんには、拙著『社会起業家の教科書』を執筆した時にお世話になったのだ。

熊野さんは、環境分野の事業を通じて、人間がすみよい社会づくりに取り組む先駆的な経営者だ。利益追求の企業経営に異を唱え、サスティナブル経営を自ら実践してこられた。

現在、熊野さんはアミタホールディングス代表取締役会長としてご活躍で、今回のシンポジウムもその熊野さんが中心となって働きかけられたのだろう。東京大学・情報学環と提携しての、サスティナブルな企業経営の可能性と実現に向けた取り組みへの議論は、非常に興味深いものだった。

東大の情報学環という新しい修士プログラムのことを知ったのもこれがきっかけだった。学部では学環。すなわちさまざまな専門を融合させた学問研究をするプログラムで、東大としては売出中のようだ。

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先ほども言ったが、〆切迫る原稿を抱えていたため、私は前半部分しか見られなかったのだが、議論の主題は未来型の経営。

人口構造の変化、一極集中、原発エネルギー問題など、近い将来多くの国が直面する人類史的な問題を、世界に先駆けて発生している日本において、我々日本人が、この状況をいかに打破し、新たな未来を築いていくのか、そしてその中で、企業はいかにあるべきか、を考えるというもの。

行政、大学、専門家、企業が連携して、企業の新たな価値、経営手法を模索し、実践し、社会に発信していこうというのがシンポジウムの狙いだ。

一言で言えば、利益だけを追求する企業活動から、持続可能な社会を作るための企業経営の仕組みを構想する活動である。

サスティナブルな企業経営とはどのようなものか、まだ具体的にはわからないが、サスティナブルという方向性はけっして企業利益を損なうものではなく、むしろ相乗効果を生むというのが熊野会長の考え方で、どうやらそれは、草の根の地域を主体とした動きを進めていくことが、課題解決の道筋になるという。

日本は長い歴史を持つ国だけに、大きな構造転換を迫られているとはいえ、何を残し、何を生かすのか、その選定から難しそうだ。が、社会変化のスピードは速い。これからそれぞれの専門家が知見をすり合わせながら、未来型の経営スタイルが生まれていくプロセスを私も関心を持って見守っていきたい。

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